経営に関わることを気軽に相談できるアドバイザーになりたい
私は、経営のアドバイザーという仕事を意識したのは、最初に就職した生命保険会社のシステム企画部に在籍していた時です。
それまでは、誇れるような学歴もなく、仕事も正直評価されたとは言い難い結果しか残せませんでした。
元々学生の時に情報処理関連の勉強をしたものの様々な事情もあり、断念しています。なので、いまさらシステム開発のスペシャリストになるという選択肢は自分の中にはありませんでした。
とはいえ、何かスキルアップをしないと生き残れないという不安がありましたし、自分が見ている世界は大きな会社の組織からすれば一つの部署でしかないことも分かっていました。
幸い社員へのスキルアップのために、会社が補助してくれる制度もあり色々な研修などを探していて「自分はどんな知識を身に着けたら会社に貢献できるのだろうと」考えました。
しかし、情報処理関連は、学生の時に一度挫折し(諦め)ています。いまさら、情報処理技術者試験を受ける気になりませんでしたし、私が今から頑張ったところでシステム開発は、ほぼすべてを外部委託していることもあって、その方たちと同じ土俵で戦っても勝てるわけがないと思いました。
では、「会社から推奨されていて、取得者が少ないレアな資格を取れば、レアな人材になれるのでは?」と当時は簡単に考え、資格取得の報奨金が出る資格にあった士業の資格に挑戦しようと思い、どうせなら会社のことが色々と分かるように様々な領域を学べる中小企業診断士を勉強しようと思いました。
まだこの頃は、ちょっと頑張れば取れるくらいに思っていたと思います。
中小企業診断士の勉強を独学で開始
この時、私はコンスタントに残業を月に60時間~80時間していました。毎日21時とか22時に終わり帰宅は23時という状態でした。
元々、学生の時は勉強はできず勉強の仕方すら知りません。さらに、周りに中小企業診断士を勉強するというような人はおらず我流で勉強を続けていました。
そんなことで早くも2年近くの時間が経ちます。
中小企業診断士の試験は、2次試験が7科目(マークシート)、2次試験が4分野(筆記)、(面接試験がありますがほぼ通過できる内容なので1次と2次が実際の試験になります。)という内容ですが、2年の成果は、1次試験の1科目も合格できず惨敗でした。
そこで、転機となったのは、現役の診断士の方と知り合ったのが転機でした。その方には、
「お前は、合格するのか、辞めるのか」
と言われたのは衝撃を受けた記憶が今でも残っています。
さらに、仕事のために勉強していた資格試験の面接試験を自ら諦めるという出来事も転機になりました。「(人生で初めて自ら)勉強したい」と思った試験をあきらめるのはできませんでした。
試験合格から経営診断の実務
その後勉強仲間にも恵まれ、1次試験を合格し、2次試験は「1点足らず」悔しい思いはしましたが無事翌年2回目の挑戦で合格することができました。
しかし、中小企業診断士としての仕事はほぼ皆無といっていいほどありませんでした。診断士事務所で募集しているのはアシスタントどころか事務スタッフだったり、たまに中小企業診断士資格を歓迎とあっても実務経験がないため、体よく断られました。
さらに、元々のキャリアが大手の生命保険会社のシステム構築です。そのような規模の会社で中小企業診断士の資格は、取得は推奨されていても実際に求められることはなかったのです。ある人には、「中小企業の資格なんでしょ?」と言われたこともありました。
さらに自分でビジネスをしたことがなかった私は、不利な契約を結んでしまったり、契約書を結んでいても全く守っていただけないこともあり、すべては成果がすべてだと思い知りました。
自分は、まだ人にアドバイスできるレベルではないのだと思い知った瞬間です。
情報やノウハウ量の違い
それから苦労はありながらも一緒に仕事をさせていただく機会もいただき細々と活動して思いました。
大企業では当たり前のようにやっていることが実は、中小企業ではできていないことが多い。
これは資金的な面やリソースではなく、やり方だったり仕組みだったり少し工夫すれば改善できることでした。しかも、少子高齢化で労働人口はますます減少していくなかDXで生産性向上は、企業の規模を問わず必須となっています。
私は元々ビジネスと調整して業務システムを改善して構築するのが専門です。巷にたまに見かけるITツールを導入するのがDXと言われることもありますが、本質は違うと思っています。
経営戦略(会社の進め方)のパートナー
私は、様々な規模(大企業から中小企業)、異なる立場(発注側と受託側)どちらの立場も経験しました。ビジネスをやる上で不条理なことも経験しました。近い人に相談しても助けてくれないこともありました。
逆にそのような私を助けてくれた人もいます。しかし、ビジネスの世界では総じて「本当に困った時は誰も助けてくれません」。そうならないように寄り添えるパートナーとなれるのは、(中小)企業診断士冥利に尽きると感じています。